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近代北海道を支えた煉瓦産業の歴史が、日本遺産「炭鉄港」に加わり全国へ発信

2024年6月、江別市は日本遺産「炭鉄港(たんてつこう)」の構成文化財として正式に認定されました。
「炭鉄港」とは、北海道の石炭(炭)、鉄鋼(鉄)、そしてそれらを運ぶ港(港)が織りなす近代化の物語です。江別市は、明治時代から続く煉瓦産業の中心地として、炭鉱や鉄道施設建設に欠かせない資材を供給してきました。今回の認定により、その歴史的役割があらためて評価され、国内外に広く発信される機会となります。
1. 北海道炭礦鉄道野幌煉化工場のれんが
1898年に創業された「北海道炭礦鉄道野幌煉化工場」は、道内初の近代的な煉瓦製造施設として重要な役割を果たしました。この工場で製造された煉瓦は、岩見沢や室蘭などにある炭鉱・鉄道関連施設の建設に広く使われ、北海道の近代化を物理的に支えた素材となりました。現在もその煉瓦は、地域の建物や遺構に残され、煉瓦のまち江別の原点を物語っています。
2. 王子エフテックス江別工場 れんが倉庫群
王子製紙(現・王子エフテックス)のれんが倉庫群は、野幌煉瓦を使った現存最古の産業用建築群として知られています。これらの倉庫は、当時の紙製造・保管の中心的拠点であり、江別の産業発展の象徴でもあります。今もなお稼働している倉庫もあり、煉瓦建築が現役で活躍している希少な文化財です。
3. 米澤煉瓦工場
1939年に創業し、現在も操業を続けている「米澤煉瓦工場」は、道内で現存する最古の煉瓦製造施設です。創業当時からの設備や煙突が今も残り、見学も可能(事前予約制)な貴重な産業遺産です。石炭を燃料にしていた頃の面影を残しつつ、現代に生きる職人の技術が受け継がれており、煉瓦の製造が文化として今も息づいていることを体感できます。
4. 炭鉱鉄道遺産群(山田コレクション)
長年収集・保存されてきた「炭鉱鉄道遺産群」は、北海道各地の炭鉱鉄道で実際に使用されていた蒸気機関車や貨車、信号機、駅名標などから成ります。北炭夕張鉄道や三菱大夕張鉄道など、今は無き鉄道の歴史を物語る資料群は、産業交通のリアルな記録として貴重です。保存状態も良好で、見る人にかつての炭鉄港の活気を伝えてくれます。
日本遺産認定を契機に、江別市では観光や教育における活用が進められています。観光客向けには、構成文化財を巡るガイドツアーなど、地域の魅力を体感できるイベントが計画されています。さらに、学校教育でも地元の歴史を学ぶ教材として活用が期待されています。地元の誇りである煉瓦文化を未来世代へと継承し、持続的な地域活性化につなげる取り組みが注目されています。
江別市の日本遺産登録は、地域の魅力と価値を再発見するきっかけとなりました。炭鉄港の物語に、江別が加わることで、煉瓦という素材が持つ歴史的意味が広がります。市民・観光客にとって、単なる建材以上のストーリーを持つ煉瓦に触れることで、江別の深い文化に出会うことができます。今後は、「煉瓦のまち」江別の歩みが新たなフェーズに入りつつあります。
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